鹿沼市環境基本条例が示す「自然との共生を目指すこと、美しい水と緑の自然を継承すること」の象徴的な地域である「横根高原」に、太陽光パネルを設置しするという計画が、民間会社により進められています。再生可能エネルギー買取制度に沿った計画とはいえ、横根高原に与える影響は大であり、地域に下記のような影響を及ぼすものです。
このことについて、地元「横根高原の自然を守る会」が反対を表明し、署名活動を開始しました。
日本野鳥の会栃木は、この反対運動に賛同し、協力していきますので、皆さまのご支援をお願いいたします。
1.景観上の問題
横根高原、建設予定地の横根山頂から9合目付近の稜線沿いの南斜面は、ミズナラ林の続く横根高原を代表する美しい景観を有する地帯です。これまで森林保全にも取り組んだことから、更に趣きを増し、観光客もここ数年飛躍的に増加しています。こうした中、横根高原の最も美しいとされる山腹の一角を広大な人工物で覆うことは、景観破壊に他なりません。
2.水源涵養機能に関わる問題
横根高原の地殻は、保水力が大きいとされる深層風化した花こう岩が主です。また、思川の源流地域を抱える当該地帯は、一帯に生育するミズナラを中心とした森林が、保水量を高めています。建設にあたり、森林を伐採することは、“緑のダム”としての機能を著しく低下させるだけでなく、洪水緩和や水源かん養の機能にも大打撃を与えることは必至です。
3.周辺自然環境に与える気温変動の問題
広域にわたり森林を伐採することにより、森林による太陽光の熱吸収は行えなくなります。一方、太陽光パネルの太陽光反射によって熱は拡散し続けることから、周辺の気温は上昇するものと考えられます。予定地は、海抜1,200m の冷涼な気候であるため、その影響は平地の比とならず、生態系維持の観点からも取り返しのつかない事態を招くことになります。
4.国指定天然記念物動物,並びに絶滅危惧種の生息に関わる問題
建設予定地には、ニホンヤマネやニホンカモシカなど国指定天然記念物動物や絶滅危惧種の動植物の生息が確認されているほか、特に絶滅危惧カテゴリーの最上位(絶滅危惧ⅠB類)にランクされているクマタカも生息しており、横根高原は県内でも2カ所しか確認されていないクマタカの繁殖が確認されている場所のひとつです。当計画によって、生態環境が壊されるだけでなく、新たに設置される機器類が動植物の生息や、繁殖に悪影響を及ぼすことは言うまでもありません。保護、保全は多くの関連法令により定められていますが、当計画はこれらの法令を一切無視し、保護を放棄した身勝手な計画であると言わざるを得えません。
このことに対し、「横根高原の自然を守る会」が反対署名を行っています。ご協力をお願いいたします
●呼びかけ団体
横根高原の自然を守る会 代表 小野彰史
【事務局】
鹿沼市下横町1302 鹿沼市民活動広場「ふらっと」内 ☎ 070-3316-1818
【発起人】(五十音順)
阿部良司 大塚憲夫 大牧昭夫 小野彰史 角田昭夫 神山政一 亀山正亘 楠恒男 小杉正昭 駒場一男 齊籐道雄 杉山進 須藤宏 名塚史雄 野澤和雄 山﨑晃 山﨑義政 若林正夫 渡邉知義
●署名の送付先
鹿沼市下横町1302 鹿沼市民活動広場「ふらっと」内 「横根高原の自然を守る会」宛
●送付期限
鹿沼市への署名提出のため、2017年2月10日までに送付先へお送りください。
なお、その後も署名活動は継続します。
●署名様式等