毎年2月に実施している渡良瀬遊水地におけるワシタカ類の個体数を調査する探鳥会は、今回で28回になりました。
調査結果は、以下の通りです。
実施日 2019年2月3日(日)
調査時間 10:00~12:30
天候 晴れ
調査定点数 9か所
参加者数 36名
調査方法
- 遊水地の主要ワシタカ類であるチュウヒ、ノスリ、トビに関しては、10:00から15分間隔で記録をとり、その時刻に各調査定点で観察できた羽数や状態(飛行、とまり)、位置を調査用紙に記入した。その他の種は、調査時間内で出現ごとに逐一、調査用紙と地図に記入した。
- 隣接の定点と重複がないよう、調査時はトランシーバーを使って連絡調整し、集計時には地図で位置の確認をした。
調査結果
No.
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種名
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2019年
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2018年
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2017年
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1
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トビ
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25
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36
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18
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2
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ノスリ
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10
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14
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8
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3
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チュウヒ
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4
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5
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9
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4
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ミサゴ
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4
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6
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3
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5
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オオタカ
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1
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5
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3
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6
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ハイイロチュウヒ
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1
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2
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2
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7
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チョウゲンボウ
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1
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2
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1
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8
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ハイタカ
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2
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2
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0
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9
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ハヤブサ
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2
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1
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2
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10
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コチョウゲンボウ
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0
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0
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0
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11
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ケアシノスリ
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0
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0
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0
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9種
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9種
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8種
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考察
- 毎年晴天の場合は寒冷な北西風が非常に強く、調査に支障を来すほどであるが、今回は、晴天にもかかわらず風が弱く穏やかで、調査はやりやすかった。
- トビが最多で、次いでノスリという調査結果は、県内の平地における一般的な傾向であり、渡良瀬遊水地においても同じ傾向が見られた。
- 渡良瀬遊水地の特徴は、草原でノネズミ等の小動物を捕食するチュウヒが、他の河川敷や農耕地に比べて個体数が多いことであり、今年の調査でも一定数が確認された。
- また、渡良瀬遊水地には谷中湖や渡良瀬川があり、魚を捕食するミサゴが他の地域と比べて多いことも特徴の一つである。
- 今回の調査では、種類数や個体数にある程度のバラつきはあるものの、多くのワシタカ類が安定してこの地を越冬地として利用している状況が確認された。
- 現在、第2調節池において国交省の湿地再生事業が継続されているが、今回の調査ではワシタカ類の種数や個体数に大きな変化は見られなかった。今後も環境の変化と生息状況の変化に注目していきたい。
- 今回は家族連れなどを含む多くの参加があり、多くの方にこの渡良瀬遊水地の重要性を知っていただける機会になったと考えている。
主催 日本野鳥の会栃木県支部、渡良瀬遊水池を守る利根川流域住民協議会